2023年2月28日にWindows11 22H2の更新プログラムKB5022913(プレビュー)がリリースされました。
新機能や既知のバグ消化。プリンタ等のドライバ不具合対応、セキュリティ対策といった内容となっています。
大まかな振り分けとして新機能が13項目、改善点が16項目、既知の問題が4項目となっています。
今回は細かい内容は除外し一般ユーザをターゲットとした場合の新機能5点と未解決の既知の問題となっている不具合情報1点に関する注意事項など影響の大きい内容を抜粋してご紹介します。
そもそも更新プログラムのプレビュー版とは?からどんな内容が含まれているのか、インストールするべきかどうかの判断基準を知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。
2023年3月更新プログラム(KB5022913)新機能ハイライト
MicroSoftの公式ページでは新機能については13項目紹介されていますが一般ユーザにとって変化が分かりやすく活用次第ではWindows11のPCの作業効率や消費エネルギーの削減と言った最適化にも繋がる機能を抜粋しました。
新機能 タスクバー「検索ボックス」のカスタマイズが可能に!
タスク バーの検索ボックスエクスペリエンスが向上します。 検索ボックスに入力すると、検索結果が検索ポップアップ ボックスに表示されるようになります。 タスク バーの検索エクスペリエンスを変更するには、[設定] > [個人用設定] > [タスク バー] に移動します。
要約するとタスクバーの左側にある検索ボックスを以下のパターンでカスタマイズが可能となりました。
セレクトボックス | 内容 | |
非表示 | タスクバーの検索ボックスが非表示になる | |
検索アイコンのみ | 検索アイコン(虫眼鏡)のみになる | |
検索アイコンとラベル | 検索アイコン(虫眼鏡)とラベル(検索)が表示される | |
検索ボックス | 検索ボックス(虫眼鏡+ラベル+入力スペース)が表示される |
設定方法は[設定] > [個人用設定] > [タスク バー] に移動し[タスクバー項目]の[検索]メニュー右側のセレクトボックスにて選択を行う。
[検索ボックス]をクリックし4パターンから任意の設定を選択する
検索ボックス(アイコン)をクリックした際の挙動はそれぞれ異なり、[検索ボックス]をクリックした際はそのままの位置で検索ワードの入力が可能だが[検索アイコンのみ][検索アイコンとラベル]の場合は中央に表示されるため視線移動をしなければならないため少し違和感があります。
新機能 タスクマネージャーでフィルタ機能が可能に!
フィルター処理 – バイナリ名、PID、または発行元名を使用してプロセスをフィルター処理できるようになりました。 フィルターは、ページを切り替えるときにも適用されます。 キーボード ショートカットは Alt + F です。
その他のテーマ オプション – Windows テーマとは異なるタスク マネージャーのテーマを選択できるようになりました。 また、[新しいタスクの実行] と [プロパティ] ダイアログを除くすべてのダイアログでテーマがサポートされるようになりました。 ダイアログでは、アプリ固有のテーマまたは Windows テーマが使用されます。
効率モード – 効率モードをオンにすると、確認ダイアログをオプトアウトできるようになりました。
タスクマネージャーはアプリがフリーズした際や挙動がおかしい際にプロセスを強制終了したり、CPUやメモリの使用率を監視確認し未使用アプリでバックグラウンドで起動中のプロセスを強制終了させることで空きリソースを確保することでPCの軽量化を実現することが可能なためとても重要な機能です。
今までは特定のプロセスを検索する際は[名前]でソートし目視でスクロース検索する手段しかありませんでしたがタスクマネージャー画面上部に新たに表示されたフィルタ(検索)機能により簡単に見つけ出すことが可能となりました。
これから新機能のフィルタ機能の利用方法を簡単にご説明します。
タスクマネージャーの起動はタスクバー左側の[Windows]アイコンを右クリック→[タスクマネージャー]もしくはショートカットキー[Ctrl + Shift + Esc]により起動。
画面上部の[検索する名前、発行元、PIDを入力してください]に任意のワードを入力。
名前検索の例「google」
上記の通りGoogle Chromeとgoogle Updateに関するプロセスがフィルタリングにより表示されました。
次に[発行元](例 apple)を検索した場合を見ていきます。
Apple社が発行したアプリ「iCloud」のプロセス名は「iCloud for Windows」のため[名前]に「apple」は含まれていいませんが発行元でヒットしたためフィルタリング結果として表示されています。今までは特定のプロセスのプロパティ詳細を確認しないと分からなかった情報が一覧で表示されるため、例えばアンインストールしたはずのアプリが実はバックグラウンドでプロセスが稼働したいた!なんてケースでもフィルタ検索を行えば発見しやすくなるなりそうですね。
新機能 タスクマネージャーフィルタ検索結果で画面不具合?
少し本題からは外れますが上記画面キャプチャはタスクマネージャーで「apple」とフィルタ検索した後の結果画面です。リスト行が重複して表示されてしまい非常に見にくい状態となっていることがお分かりいただけますでしょうか。Snipping Toolでスクリーンショットした画像のためディスプレイ側の不具合では無くWindows11 OS側で何か不具合が起きている状態と思われます。
この更新プログラムKB5022913はプレビュー版のため一般公開時には解消されていると良いのですが。
2023/3/15追記
[KB5023706]が一般公開されインストール後にタスクマネージャーのフィルタ機能に対する挙動をもう一度確認した所、現時点では行重複により画面がブレて見える不具合は発生しませんでした。これは再起動により解消されたのか更新プログラムにより解消(公式には記載なし)されたのかは不明ですが正常に動作しているのでどんどん活用していきます。
新機能 [電源&バッテリー]で省エネ設定!
Windows では、エネルギーに関する推奨事項が提供されるようになりました。 それらを使用する場合は、PC のエネルギー効率を向上させ、カーボン フットプリントを削減するのに役立ちます。 [設定] > [システム>電源&バッテリ>エネルギーに関する推奨事項] に移動します
Windows11 22H2以降からカーボン対応することとなった活動の一環として、[設定] > [システム>電源&バッテリ>エネルギーに関する推奨事項] にて[電源&バッテリー]周辺の設定で二酸化炭素削減を推奨とする設定が各6項目に対しワンクリックで可能となりました。設定可能な6項目は以下となります。
- 最大エネルギー効率のための電源モードを設定する
- 最大エネルギー効率を限のための画面の明るさを設定する
- 3分後にデバイスをスリープ状態にする
- 3分後に画面をオフにする
- スクリーンセーバーをオフにする
- 画面オフ時にUSBデバイスを停止してバッテリーの節約に役立てる
設定の流れは以下の通り。
[設定] > [システム>電源&バッテリ]画面へ移動し[江ネルg-に関する推奨事項]をクリック
各項目を確認し任意で設定する。
参考までに全て適用すると以下の通り[正常に完了しました。- すべての推奨事項を適用しました。]と表示されます。
電源やバッテリー周りの設定は細かくカスタマイズすることも可能ですが、設定が面倒な方は全て適用後にしばらくPCを使用後に違和感があれば設定を変更することも可能です。PCの消費エネルギーを節約することは全体のパフォーマンス影響も少なからずあるのでより高パフォーマンスを発揮させたい場合やバッテリー消耗等のハード面への負担軽減を目的とする意味でも設定して損は無いでしょう。
その他Windows11を軽量化することによるパフォーマンス最適化に関する記事はこちらです。
新機能 タブレット用にタッチ最適化タスクバーの導入
タブレットとして使用できる 2-in-1 デバイス用のタッチ最適化タスク バーが導入されています。 このタスク バーには、折りたたみと展開の 2 つの状態があります。 2 つの状態を切り替えるには、画面の下部で上下にスワイプします。 タブレット モードで折りたたまれると、タスク バーが後退して画面領域が広がり、タスク バーを誤って開かされないようにします。 タブレット モードで展開すると、タスク バーはタッチで使いやすく最適化されます。 キーボードを取り外すか折り返すと、タスク バーはこの最適化されたバージョンに自動的に変更されます。
この機能は、タブレットとして使用でき、既定でオンになっているデバイスでのみ機能します。 変更するには、[設定] > [個人用設定] > [タスク バー] > [タスク バーの動作] に移動します。 この設定は、”このデバイスをタブレットとして使用するときにタッチ操作用にタスク バーを最適化する” と呼ばれます。 会社がデバイスの Windows 更新プログラムを管理している場合、この機能は既定でオフになります。 管理者は、 継続的なイノベーションのために新しい商用コントロールを使用してオンにすることができます。
Surface等のタッチ式タブレット端末のWindows11利用ユーザはより快適にタスクバーからアプリ起動を実現することができるのでは無いでしょうか。残念ながら私はタブレットを持っていないため検証はできませんが、内容を確認する限りは非常にポジティブな新機能と言えるので今回ハイライトのトピックの一つとして取り上げさせてもらいました。
既知の問題 Windowsが正常に起動しない可能性がある
これ以降の更新プログラムをインストールした後、一部のサードパーティ製 UI カスタマイズ アプリを持つ Windows デバイスが起動しない可能性があります。これらのサードパーティ製アプリは、ループ内で複数回繰り返される可能性のある explorer.exe でエラーを引き起こす可能性があります。 影響を受ける既知のサードパーティ製 UI カスタマイズ アプリは、ExplorerPatcher と StartAllBackです。 これらの種類のアプリは多くの場合、サポートされていない方法を使用してカスタマイズを実現し、その結果、Windows デバイスで意図しない結果になる可能性があります。
この情報は2023年2月28日にプレビューリリースされたKB5022913更新プログラムに関する情報で、Windows11のスタートメニュー等のレイアウトをWindows10風にカスタマイズ可能な「ExplorerPatcher」「StartAllBack」アプリがインストールされている場合に、この更新プログラムをインストールするとWindowsが正常に起動しなくなる可能性があるという非常に影響の大きい問題です。この2つのアプリは確認済のため明記されていますが類似のカスタマイズ可能なフリーソフト等のアプリについても同様に不具合が起きる可能性があるので注意が必要です。
最も注意すべき点としてはこの不具合は解消されるまでは2023年3月から定期的に配布される更新プログラム内にもこの問題は含まれているため継続的な注意が必要となります。
Windows11が起動しなくなる不具合に対する回避策は?
Microsoft公式サイトで発表している回避策としては以下の内容の通りです。
- KB5022913およびそれ以降の更新プログラムをインストールする前に、サードパーティ製のUIカスタマイズアプリをアンインストール
- StartAllBackを使用している場合、3.5.6以上に更新していると、この不具合を回避できるかもしれません。(※断定ではありません)
サードパーティ製のアプリのため元々MicroSoft社で推奨されたアプリでは無い限りパッチ対応は行われない可能性が高いですが、「StartAllBack」の様にアプリ側でアップデートにより不具合を解消させているケースもあるので利用されている方はいずれにしても注視する必要があります。
フリーソフトにはメリットデメリットがそれぞれありますが、デメリットを良く理解した上で利用しないとWindowsが正常に起動しない等の不具合に遭遇する可能性もあるのでご利用は計画的に!
Windows11 22H2アップグレードによる新機能に関する記事はこちら
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